「1990年生まれって、やばい世代なんでしょ?」
そんな言葉を耳にしたことはありませんか?SNSやまとめサイトなどでたびたび話題になるこのフレーズ。言葉だけを見ればネガティブな印象が強いですが、実際にはその背景や文脈を正しく理解しないと、本質を見誤ってしまう可能性があります。
1990年生まれといえば、平成2年生まれ。30代に突入し、社会の中核を担う世代となっています。この世代は、バブル崩壊後の経済停滞期に幼少期を過ごし、リーマンショック後の就職氷河期を乗り越えてきました。つまり、時代の大きなうねりの中を生き抜いてきた層であり、単なる「やばい」という一言で語るにはあまりに複雑で、むしろ「強い」と評すべき経験値を持つ世代ともいえるのです。
この記事では、1990年生まれがなぜ「やばい」と言われるのか、その背景にある社会情勢や時代の変化、そして共感を集める“あるあるネタ”を通じて、世代の実像を丁寧に紐解いていきます。さらには「最悪の世代」と評される一方で「黄金世代」とも呼ばれる理由、そして今後の可能性についてもわかりやすく解説していきます。
1990年生まれが「やばい」と言われる理由とは?
1-1 経済不況と就職難に直面した世代背景
1990年に生まれた人々は、バブル崩壊後の日本における「失われた10年」の真っただ中で育ちました。物心ついたころから、景気の良いニュースよりも「不景気」「リストラ」「就職難」といったワードが身近にあった世代です。高校・大学進学の時期には、リーマンショック(2008年)という世界的な金融危機が重なり、特に大学卒業前後に大きな影響を受けた人が多く見られます。
厚生労働省の調査によれば、2012年の新卒内定率は約78%。これは近年と比べると極めて低い水準であり、「努力しても報われにくい」と感じた経験を持つ若者が多い世代でもあります。そのため、自分のキャリアに対して保守的になりがちで、「とにかく安定した職に就く」ことを重視する傾向が強く見られるようになりました。
また、社会全体の雇用形態も大きく変化し、正社員ではなく非正規や派遣社員として働く人が増加。その結果、「若いのに夢がない」「意欲が低い」といった批判も浴びることになり、「やばい世代」というレッテルが定着しやすくなったのです。
1-2 テクノロジー過渡期に育った影響
1990年生まれの人々は、アナログとデジタルのちょうど境目で育った非常にユニークな世代です。子どものころはカセットテープやVHSで遊び、ゲーム機もファミコンやスーパーファミコンに親しみがありました。一方で、成長する過程でインターネットや携帯電話が急速に普及し、SNSの黎明期に青春時代を過ごしたという特徴も持ちます。
このように、「昭和的な価値観」と「平成・令和的なデジタル文化」の両方を体験しているため、感性が広く柔軟であるという点は大きな強みです。しかし一方で、上の世代からは「最近の若者はすぐスマホに頼る」と言われ、下の世代からは「デジタルに中途半端」と評される場面も多く、結果的にどの世代からも誤解されやすい立場になっているとも言えます。
つまり、1990年生まれは「過渡期の中で自分なりのバランスを見つけようとした」ゆえに、世代としての特性が見えづらく、個人差も大きいというのが実情です。
1990年生まれあるあるに見る時代の象徴

2-1 デジタル進化をリアルタイムで体感
この世代は、インターネットの登場からスマートフォンの普及までをまさにリアルタイムで体験してきました。小学生の頃にはまだ家庭にパソコンがない家庭も多く、中学生で携帯電話を持ち始め、高校・大学でやっとスマホが一般化するという流れです。
その結果、「ネットリテラシーが身につく前にネット文化に触れてしまった」ことによる失敗談も多数存在します。黒歴史とも言えるmixiのポエム投稿や、プリクラ画像の過剰加工など、後の世代では通用しないようなネット文化が「あるあるネタ」として語り継がれています。
また、テレビ番組や雑誌の影響力がまだ強かった時代に育ったため、「流行りに敏感だけどミーハーすぎない」という独自のバランス感覚も特徴的です。
2-2 VHSやカセットに親しんだノスタルジー
1990年生まれにとって、VHSで映画を見ることやカセットテープで音楽を録音することは当たり前の経験でした。「ビデオが巻き戻らない」「カセットが絡まってしまう」といったトラブルさえも、今では懐かしい思い出です。
このようなアナログ時代の記憶があるからこそ、現代のデジタル社会に対しても冷静な視点を持つことができ、「便利になったけど、不便さにも良さがあった」と感じられる世代でもあります。その懐古感情が、レトロブームの再燃にもつながっていると言えるでしょう。
「最悪」から「黄金世代」へと評価が変わる理由
3-1 多様な価値観と柔軟性が強み
1990年生まれの人々は、社会やテクノロジー、文化の激動期に育ったことで、多様な価値観に自然と適応してきました。上の世代が重んじる“努力と根性”と、下の世代が重視する“効率と合理性”の両方を理解し、必要に応じてどちらの価値観にも合わせられる柔軟さを持つのが大きな特徴です。
たとえば、会社では上下関係を重視しつつ、SNSではフラットな関係を築くことができるなど、TPOに応じた立ち回りができるという点で、ビジネスや人間関係において非常にバランスが取れています。この柔軟性は、世代間の“橋渡し役”としても重宝されており、社内のミドルリーダー層として信頼されやすい世代でもあります。
また、価値観の多様性は消費行動にも表れており、物より体験に重きを置く傾向や、SDGsへの関心の高さも、社会全体の潮流と共鳴しています。
3-2 時代に適応する革新力と行動力
1990年生まれは、“時代の波に流された”という印象を持たれがちですが、実際にはその波に乗りこなす力に長けているとも言えます。急激な環境変化を前にしても、「それならこうしてみよう」と柔軟に方向転換し、自己流に落とし込んで行動に移せる点は、この世代特有の革新力です。
たとえば、コロナ禍による働き方改革においても、リモートワークや副業といった新しいスタイルに積極的に適応したのもこの世代が中心でした。技術リテラシーを自然に身につけている一方で、現実的な感覚も忘れておらず、無謀なチャレンジではなく“実現可能な工夫”を選ぶ傾向があります。
このように、時代に合わせて自分のスタイルを更新できる姿勢は、むしろ未来志向の強さの現れとも言えるでしょう。
3-3 社会貢献や起業における活躍事例
意外に思われるかもしれませんが、1990年生まれには起業や社会貢献の分野で活躍している人物が数多くいます。たとえば、ITスタートアップの創業者や、地域活性化に取り組むNPOの立ち上げ人など、“自分の思いを形にする”行動力を持った人材が多数出ているのもこの世代の特徴です。
また、SNSを通じた情報発信やクラウドファンディングなど、テクノロジーを活用した社会的アクションが自然とできるため、“自分の行動が社会に影響を与える”という自覚も強い傾向にあります。これは、旧来の「上からの命令で動く」社会構造とは違う、新しい時代のリーダー像とも言えるでしょう。
3-4 負の評価を覆すポジティブな要素
「やばい」「最悪」といったラベルを貼られやすい一方で、実は地に足のついた実力派世代である1990年生まれ。冷静で客観的な視点を持ち、過度な楽観も悲観もせず、自分なりの判断で人生を選択してきた姿勢は、多くの場面で見直されつつあります。
近年では、「Z世代」や「ゆとり世代」との比較の中で、1990年生まれは“ちょうどいいバランス”を持った世代として再評価される声も増えています。これは、社会における多様性の受容が進む中で、「両方の価値観を理解できる存在」が貴重だと認識されるようになったためです。
1990年生まれ やばいと言われる背景を徹底解説

4-1 一面的なレッテルとその打破
「1990年生まれ やばい」と一言で言われることの多いこの世代ですが、背景には“情報の断片化”や“ステレオタイプ”の影響があります。とくにSNS上では、個人の一面的な意見が拡散されやすく、誤解や偏見が生まれやすい構造になっています。
しかし実際には、「やばい」という言葉の裏には、適応力・共感力・情報処理力といった現代に欠かせない資質が隠れていることが多く、一面的な見方では本質は見えてきません。
4-2 他世代との対話と共感の重要性
1990年生まれが世代としてさらに評価されるには、他世代との対話が欠かせません。団塊世代やバブル世代との価値観の違いを理解し、Z世代の感性にも歩み寄れる柔軟さを持つこの世代こそが、世代間の“翻訳者”としての役割を果たすことが期待されています。
世代間ギャップを乗り越えるためには、相手の立場に立って考え、歩み寄る姿勢が求められます。1990年生まれには、そうした“空気を読む力”も備わっており、まさに現代社会にフィットした存在です。
4-3 自己認識と時代を生き抜く強さ
どの世代よりも“時代の変化”に揉まれてきた1990年生まれ。その中で培ったのは、他人に振り回されず、自分で選択し、納得して進む“自立心”です。情報に溢れる現代において、「何が自分にとって正しいのか」を自分で判断できる力は、非常に貴重です。
また、雇用不安や物価上昇、価値観の多様化といった社会課題にも直面してきたからこそ、「誰かが何とかしてくれる」ではなく「自分で動こう」と考える傾向が強く、それが今後の日本を支える力になることは間違いありません。
4-4 未来を創る中核世代としての期待と展望
1990年生まれは、今や社会の中核を担う立場になりつつあります。企業でも30代の管理職や起業家が増え、子育て世代としても大きな役割を果たしています。これからの時代は、「過去がどうだったか」よりも「これからどうするか」が問われる時代。
その中で、多くの変化を経験してきた1990年生まれが、課題を乗り越える知恵と柔軟性を発揮し、“次の時代の礎”となる可能性は大いにあります。
最後まで読んでいただきありがとうございます!
あなたは何年生まれですか?この記事が少しでも参考になったなら幸いです。



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