黒チャートが「頭おかしい」と言われるのには、確かな理由があります。
数学の難問がひしめく参考書として知られる黒チャートは、特にSNSや受験生の間で「レベルが異常」「歯が立たない」「自信を失う」といった声が後を絶ちません。一方で、難関大学の合格者の中には「黒チャートが最強だった」と語る人も多く、その評価は賛否両論です。
この記事では、「なぜ黒チャートはそこまで難しいのか?」「本当に頭おかしいレベルなのか?」「どんな人に向いているのか?」といった疑問を、具体的な事例を交えて解説します。さらに、黒チャートの効果的な使い方や、他の参考書との違いについても丁寧にご紹介します。
読むことで、「黒チャート=難しすぎて無理」と思っていた方も、自分に合った使い方や適切な判断基準を得られるはずです。「自分は合わない」と気づければそれも成長、「うまく活用すれば最強」と思えたらそれもまた勝ちです。
黒チャートが「頭おかしい」と言われる理由とは?
1-1 一般的な参考書とは一線を画す異常な難易度
黒チャートの最大の特徴は、一般的な参考書とは桁違いの難易度にあります。高校数学の範囲を網羅しているだけでなく、「標準」「応用」「発展」に加えて「思考力を問う難問」が多数収録されており、問題の質・量ともに圧倒的です。
たとえば、数学IIIの微積においても、黒チャートでは京大や東工大の過去問を意識したような問題が掲載されており、「何からどう手をつければよいか分からない」という声も少なくありません。
一部の受験生からは「解説が丁寧とはいえ、そもそも問題が難しすぎて意味がわからない」という声もあり、一般的な市販の参考書とは異なる世界観を持っているのが、黒チャートの特徴でもあります。
1-2 発想力・論理力が問われる構成が多すぎる
黒チャートに収録されている問題は、単に公式を当てはめるだけでは解けないものが多く、「この式変形、どうして思いつくのか?」という発想の段階から問われます。
また、1問ごとの前提知識が多いため、途中で条件を読み落とすと全く違う答えになってしまうケースもあります。これは、論理力や集中力を極限まで要求されるという点で、「頭おかしい」と言われる理由のひとつです。
実際、「青チャートでは理解できた問題が、黒チャートでは全く歯が立たなかった」という体験談も多く、見た目の構成が似ているからといって同じ感覚で取り組むと痛い目を見る可能性があります。
1-3 問題量・出題範囲の広さがもはや常軌を逸している
黒チャートは、1冊で約1000問前後の問題を収録している参考書です。これは、標準的なチャート式(青チャートや黄チャート)よりも多く、しかも1問1問の難度が高いため、「解き終えるだけで半年かかる」という声も珍しくありません。
また、収録されている問題の出題範囲も広く、センター(共通テスト)〜難関私大・国公立2次までをカバーしているため、目的が曖昧なまま手を出すと「時間だけ奪われて終わる」危険性もあります。
それでも「解き切れたら最強の武器になる」と評価されており、その“極端さ”こそが「頭おかしい」と言われる根源かもしれません。
1-4 実際に黒チャートで挫折した人のリアルな声
SNSや受験系掲示板には、黒チャートを途中で挫折した人の声が数多く見られます。
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「全然解けなくて1日1問しか進まない」
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「数学嫌いになりそうで怖くて閉じた」
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「復習に入る前に挫折した、時間の無駄だった」
このような体験談は決して珍しくなく、特に基礎が不十分なまま手を出すと高確率で心が折れるというリアルな意見が多数あります。
しかし同時に、「1日1問でも解き続けたら東大合格までいけた」という成功談もあり、「使い方」と「自分の実力」との相性を見極めることが重要です。
黒チャートを使いこなせるのはどんな人か?対象者の見極め方
2-1 東大・京大など超難関大志望者向けに作られている背景
黒チャートは、そもそも東大・京大・東工大などの最難関大学を目指す受験生を想定して作られた教材です。
そのため、共通テストレベルの問題では物足りない、難関大の記述式に慣れておきたいというニーズに応えるような内容構成となっています。
特に数学IIIの章では、記述問題の採点を意識した答案の書き方や論理展開が求められる構成になっており、記述力を求める大学との親和性が高い点が特徴です。
逆に言えば、共通テストやMARCHレベルを目指す生徒にとってはオーバースペックであることが多く、「黒チャートはやめておいた方がいい」と言われる理由にもなっています。
2-2 基礎が完璧に仕上がっていないと歯が立たない構成
黒チャートは、「青チャートで完璧に理解した人が次のステップとして使う教材」と言われることもあり、基礎力が盤石でないと全く手が出ません。
実際、黒チャートの解説は詳しいものの、“基本事項の説明は省略されている”ことが多く、既にその知識があることを前提に進んでいきます。
つまり、チャート式シリーズの中でも、黒は「最終ステージ」。青や黄チャートの問題が解けないうちは、まだ手を出すタイミングではないと言えるでしょう。
2-3 青チャートとの違いから見る「黒」の異質さ
黒チャートと青チャートは表紙の色だけでなく、構成の思想自体が異なります。
青チャートは「演習しながら理解する」構成ですが、黒チャートは「理解している前提で問題を解く」構成です。
また、青チャートは全体的に網羅的で、教科書の補助教材としても使えますが、黒チャートは「受験問題集」に完全に振り切った構成で、思考力・論理力のトレーニングが目的です。
そのため、「同じチャート式だと思って買ったら全然違った」という失敗談も多く、選ぶ際には目的をしっかり明確にしておく必要があります。
2-4 現役で扱うには早すぎる?浪人生向けという声も
黒チャートを現役生が使う場合、進度や基礎力とのバランスに注意が必要です。
特に高2・高3の夏ごろに「周りが使っているから」といって焦って手を出すと、進めることすら困難になりモチベーションが低下する可能性があります。
一方、浪人生や再受験生で、基礎はすでに完了しているという人には非常に向いている教材です。時間のある浪人生が黒チャートを何周もすることで難関大学に合格した例も多く、使うタイミングが重要です。
黒チャートのメリットと適切な使い方を知っておこう
3-1 問題を完遂できれば思考力が飛躍的に伸びる
黒チャートの最大の魅力は、「極限まで思考力を鍛えられる」という点にあります。
問題自体が極めて難解で、教科書的な定型パターンには収まらない問いが多いため、解きながら「どうすればこの条件を活かせるのか?」「この発想はなぜ必要か?」といった深い考察を繰り返すことになります。
こうしたプロセスを繰り返すことで、単に問題が解けるというよりも、“数学的思考力”そのものが養われるのです。
難関大の記述問題では、型通りの解答だけでは太刀打ちできません。その意味で、黒チャートを通して培える力は、記述式の対応力や、未知の問題への応用力として非常に有効です。
もちろん全ての問題を完璧に理解・解答できる人は少数派ですが、1問でも深く考え抜いて理解することが、大きな成長につながります。
3-2 難問揃いだからこそ予備校や先生との併用が前提
黒チャートは独学には向いていない教材だと言われることが多いですが、それは解説が不足しているという意味ではなく、「理解に時間がかかる」「発想の補助が必要」な問題が多いからです。
そのため、学校や予備校の先生、あるいは家庭教師と併用して取り組むのがベストです。
特に、記述力を磨きたい人は、先生に答案を添削してもらいながら進めることで、より実践的な力が身につきます。
「この問題のどこがポイントか」「他にどんな解法があるか」を対話形式で学ぶことができれば、黒チャートの価値を最大限に活かすことが可能になります。
3-3 黒チャート活用成功例:合格者の学習パターン
実際に黒チャートを活用して難関大学に合格した人の学習法には、いくつか共通点があります。
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青チャートを2〜3周してから黒チャートに入る
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1日に数問、時間をかけてじっくり取り組む
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解けなくてもすぐ答えを見ずに粘って考える
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解説を読んだ後は必ず自力で再現する練習をする
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わからない問題は先生や仲間に質問して理解する
このように、基礎が盤石なうえで、継続して少しずつ挑戦を積み重ねていくスタイルが効果的だとされています。
黒チャートは短期間で終えるべき教材ではなく、時間をかけて取り組むことで真価を発揮する教材です。
3-4 無理せず「補助教材」として取り入れるのも一手
「黒チャート1冊を通してやりきるのは無理だ」という人も、部分的に取り入れる使い方を検討してみてください。
たとえば、「数学IIIの微積の応用問題だけ」「数列の難問だけ」といった形でピンポイントで使うことで、自分の弱点補強にもなりますし、受験前の実力試しとしても非常に役立ちます。
また、同じ単元を青チャートやフォーカスゴールドで理解した後に、黒チャートで応用問題にチャレンジするという「ステップアップ方式」も効果的です。
無理に“やりきる教材”にしなくても、黒チャートは使い方次第で非常に価値のある1冊になります。
黒チャート 頭おかしいと感じたときの正しい向き合い方
4-1 向いていないと感じたら迷わず他の教材に切り替えを
黒チャートに挑戦してみたけれど、「どうしても解けない」「やっていてつらいだけ」…そんなときは、無理に続ける必要はありません。
教材は人によって合う・合わないがあります。黒チャートが合わない=劣っている、というわけではまったくありません。
合わないと感じたら、「自分にとって最も力がつく教材」に素早く切り替えることが、結果的には最短ルートとなることが多いのです。
青チャートやフォーカスゴールド、基礎問題精講シリーズなど、他にも優れた教材はたくさんあります。
4-2 黒チャートに固執せず自分に合った教材を選ぶ重要性
「周りが黒チャートを使っているから…」という理由で取り組む人も多いですが、他人の勉強法が自分に合うとは限りません。
大切なのは、今の自分の理解度・目標・勉強スタイルに合った教材を選ぶことです。
それが結果的に合格につながり、モチベーションの維持にもなります。
黒チャートがすべての受験生にとって最適な教材というわけではありませんし、逆にそれが自分にとって「正しい選択」であるなら、最大限活用すればよいのです。
4-3 「頭おかしい」は褒め言葉?難関突破の裏にある現実
「黒チャート=頭おかしい」という声は、裏を返せば“それだけ完成度の高い教材”ということでもあります。
収録されている問題は、東大・京大の過去問レベルにも通じる内容があり、それを完璧にこなせるようになれば、確実にトップレベルの実力がつくことは間違いありません。
つまり、「頭おかしい」はネガティブではなく、むしろその凄さを称賛する言葉として受け取ることもできるのです。
一部の限られた受験生にとっては、「黒チャートは自分の武器だ」と自信を持てる存在になります。
4-4 苦しいだけで終わらせない、自分の実力と丁寧に向き合う姿勢が成長につながる
黒チャートは確かに難しいですが、「その難しさとどう向き合うか」が重要です。
自分にとって合うか、成長につながるか、効果的に活用できるか――それらを判断できるようになることが、本当の意味での「受験力」でもあります。
合わないと感じたら無理せず離れる、少しずつ使いこなせそうなら工夫して使う、そんな柔軟な姿勢こそが学力を伸ばす一歩になるはずです。
自分の学力・目標・状況に応じて、参考書も使い分けていきましょう。
そうすることで、たとえ黒チャートに一度は苦しめられたとしても、その経験すら大きな糧に変えられるはずです。最後まで読んでいただきありがとうございます! この記事が少しでも参考になったなら幸いです。
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