写ルンですって、もう高すぎていらないのでは?
そう感じている方は少なくありません。かつて“手軽で安価なフィルムカメラ”として親しまれていた「写ルンです」ですが、2025年4月の価格改定により、税込2,860円という価格にまで上昇しました。「これならスマホで十分」「現像も面倒」といった声も増えており、”懐かしさ”だけでは購入に踏み切れない方も多いようです。
しかし一方で、「だからこそ価値がある」と考える人たちも存在します。再評価される“エモい”アナログ体験や、撮り直しの効かない一期一会の写真文化が、再び若者を中心に注目を集めているのです。
本記事では、「写ルンですが高いと言われる理由」「本当にいらないのか?」といった疑問に対し、値上げの背景や利用者のリアルな声を交えながら、多角的に解説します。さらに、他のカメラとの比較や代替案までご紹介しますので、購入を迷っている方にも判断材料としてお役立ていただける内容です。

なぜ「写ルンです」が高すぎると言われるのか?
1-1 写ルンですの値段がここまで上がった背景
1986年に登場して以来、「簡単・便利・安い」と三拍子揃ったフィルムカメラとして長く愛されてきた写ルンです。しかし、近年はその価格が大幅に上昇しており、2025年4月には「シンプルエース」が税込2,860円にまで達しました。
この価格は、わずか数年前と比較しても約44%の値上げです。以前は1,000円台前半で手に入ったものが、いまや2,000円後半となれば、「高すぎる」と感じるのも無理はありません。
特に、初めて使う若年層や学生にとっては、「お試しで買うには高すぎる」という心理的なハードルになっています。
1-2 原材料・輸送コストの高騰という事実
富士フイルムは今回の値上げに際し、「原材料価格や輸送コストの上昇」が背景にあると説明しています。フィルムに使われる化学薬品やカートリッジ部品の供給も、世界的に逼迫しており、製造コストは年々上昇しています。
また、写ルンですのような一体型のフィルムカメラは、量産が難しくなっており、生産コストと販売価格のバランスを取るのが難しい状況にあるのです。
これらの事情により、価格改定はやむを得なかったと考える人も多い一方で、ユーザーからは「もう手が届かない存在になってしまった」との声も上がっています。
1-3 富士フイルムの価格改定:2025年4月の実例
富士フイルムは2025年4月1日付で「写ルンです シンプルエース」を含む複数の製品について価格を改定しました。その中で写ルンですは、旧価格の1,980円前後(地域差あり)から、2,860円(税込)に値上げ。
この価格には、フィルム本体のほか現像費用が含まれていないため、撮影後にさらに現像代(およそ1,000〜1,500円)を支払う必要があります。
結果的に、1回の撮影で合計4,000円以上かかることもあり、「こんなに高いならスマホで充分」という考え方が広がるのも当然です。
1-4 SNSや口コミで広がる「高すぎる」の声
実際、X(旧Twitter)やInstagramなどのSNSでは、「写ルンです 2,800円は無理」「一回使ってみたかったけど手が出ない」といった声が散見されます。
一部では、「写ルンです=貧乏旅行の定番」というイメージすら崩れてきており、その手軽さがもはや失われつつあるという指摘もあります。
SNSの拡散力によって、「写ルンです=高い・いらない」という認識は、今後さらに広がっていく可能性があります。

本当に「いらない」とまで言われる理由とは?
2-1 現代のデジタル時代に逆行する存在?
今の時代、スマホ1台あれば高画質の写真も動画も撮れる時代です。AI加工やSNSシェアもボタン一つで完了します。
そんな中で、写ルンですのような撮り直しもできず、すぐに確認もできないアナログカメラは、「時代に逆行している」と感じる人もいます。
特にデジタルネイティブ世代にとっては、「不便=非効率=いらない」と捉えられてしまうこともあるようです。
2-2 スマホやミラーレスとの価格・利便性比較
スマートフォンのカメラ性能は年々向上しており、ナイトモードや広角撮影なども標準装備されています。さらに、ミラーレスカメラやコンパクトデジカメでも、初心者向けモデルなら写ルンです数回分の価格で購入可能です。
こうした事情から、「数千円も払って、しかも現像代までかかるフィルムカメラは割に合わない」と感じるのは自然な流れです。
加えて、写ルンですの撮影枚数が27枚であることを考えると、1枚あたり100円以上という計算になります。これはスマホ写真のコストゼロと比較すると、非常に不利な数字です。
2-3 若年層から見た「使いにくさ」と「コスパの悪さ」
高校生や大学生といった若年層の中には、「写ルンですを使ってみたかったけど、価格や使い方がネックだった」との声もあります。
巻き取り式の手動操作や、フラッシュのON/OFF、そして現像までの待ち時間など、慣れない点が多く、スマホ世代には敬遠されがちです。
また、現像の手間やコストもかさみ、「エモさ」だけでは使い続けられないという意見もあります。
2-4 撮影→現像→受け取りという時間の壁
写ルンですを使うと、撮影してすぐにSNSに投稿…というわけにはいきません。
撮影後にカメラ店へ持ち込み、現像とプリント、もしくはデータ化を依頼し、早くても数日、混雑時には1週間以上かかる場合もあります。
この「待ち時間」が、「今すぐアップしたい」SNS世代にとって大きなネックになります。
こうした理由から、「写ルンです=いらない」という考え方が、特に若い層を中心に広がっているのです。
それでも写ルンですに惹かれる人たちの心理
3-1 ノスタルジーと「エモさ」への憧れ
写ルンですに惹かれる最大の理由は、やはりそのノスタルジックな雰囲気です。
フィルム独特の色味や光のにじみ、ピントの甘さなどが合わさることで、スマホでは出せない“アナログの味”が生まれます。
特に若い世代は、写ルンですを「親世代が使っていたカメラ」として新鮮に感じており、SNSでは「#写ルンですで撮ってみた」という投稿が人気です。
レトロブームや平成リバイバルと相まって、「写ルンです=エモい」というイメージが定着しつつあるのです。
この“撮影すること自体が体験”になる点も、あえて不便を楽しむ文化として一部のユーザーに支持されている理由です。
3-2 撮り直しできないからこそ面白いという魅力
スマホカメラでは、気に入らなければすぐに撮り直し、加工まで簡単にできますが、写ルンですでは1発勝負。
この「失敗も味になる」というスタイルが、特に創作活動やアート志向の人々に響いています。
構図やピントを真剣に考えてシャッターを切ることで、1枚1枚の写真に対する思い入れも自然と深まります。
「写ルンですで撮った写真のほうが、思い出として心に残る」と話す人も多く、便利さよりも“残すことの意味”を重視したい層に刺さっているのです。
3-3 アナログらしさを愛する人たちの声
カメラ愛好家の中には、デジタル全盛の今だからこそ、アナログに価値を感じるという人がいます。
写ルンですのフィルム巻き上げ音、シャッターの重さ、独特な光の写り方など、全てが「体験」として楽しいという声も。
また、フィルム写真にはデータ消失のリスクがない、SNSにアップしなくても手元に残る安心感がある、という点でも支持されています。
ある意味で、デジタル疲れの対極にある存在が、写ルンですなのかもしれません。
3-4 インスタやTikTokで再注目される現実
最近では、インスタグラムやTikTokなどでも写ルンですを使った投稿が再注目されています。
アプリで「写ルンです風」に加工するフィルターもありますが、本物のフィルム写真はやはり一味違うと評価されています。
その結果、モデルやクリエイターの間で「わざわざ写ルンですを使う」スタイルが定着し、「おしゃれ=アナログカメラ」というイメージも強まってきました。
つまり、「高いけどいらない」ではなく、「高いけど使いたい」という感覚を持つ人も、少数ながら確実に存在しているのです。

写ルンです 高い・いらないと感じた人への選択肢と結論
4-1 一時的なブームに乗らず、冷静に判断する視点
写ルンですのブームは、あくまで一時的な“流行”という見方もあります。
「SNSで流行ってるから」と何となく買ってみたものの、撮り終わるまでに時間がかかり、現像も面倒で結局使わなくなった――そんな経験談も多く聞かれます。
流行に乗るのも楽しいですが、大切なのは自分にとって価値があるかどうかです。
価格の高さがネックなら、「一度試してから判断する」という選択もありですし、無理に流される必要はありません。
4-2 コスパや撮影スタイルで選ぶ代替手段
「写ルンですに興味はあるけど高すぎる」と感じる方には、アプリや加工フィルターで雰囲気を再現する方法もあります。
たとえば「Huji Cam」や「Dazz Cam」などのアプリは、写ルンです風の色味を手軽に楽しめると評判です。
また、中古のフィルムカメラを購入してフィルムだけ交換しながら使う方が、長期的に見ればコストパフォーマンスが良い場合もあります。
写ルンですで得られる体験は、必ずしも写ルンですでしか得られないわけではないのです。
4-3 写ルンですは「好きな人だけが楽しむアイテム」
現状の価格や使い勝手を考えると、写ルンですは“万人向けのカメラ”ではなく、限定的なニーズに応える趣味性の高いアイテムになりつつあります。
誰もが使う時代は終わり、「本当にその魅力を知っている人」だけが選ぶものへとシフトしています。
だからこそ、興味があって納得できる人にとっては“高くても買う価値がある”、逆にそうでなければ“いらない”という判断も、どちらも正解なのです。

4-4 自分に必要かどうかを決めるのは「価格」ではなく価値観
写ルンですが「高い」「いらない」と言われる背景には、現代の価値観の多様化が強く影響しています。
便利さ・コスパ・即時性を重視する人にとっては、確かに不向きかもしれません。
しかし一方で、「時間をかけて1枚を大切に撮る」「予想外の写りを楽しむ」――そんなアナログな体験に価値を見出す人にとっては、価格以上の魅力があるのもまた事実です。
つまり、写ルンですが必要かどうかは、スペックや値段で決めるものではなく、自分自身の「写真との向き合い方」が基準になるのです。
最後まで読んでいただきありがとうございます!
あなたはどう思いましたか? この記事が少しでも参考になったなら幸いです。
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